御殿山第二砲台:出入口

Battery Gotenyama No.2 : Entrance


↑ 戦後の御殿山第二砲台(陸上自衛隊函館駐屯地史料館 所蔵)
 千畳敷方面へ延びる周遊道路がすでに建設されているが、御殿山第二砲台の出入口トンネル付近の擁壁は、まだ削られていない。

 


↑ 出入口トンネル付近の擁壁が大きく失われた御殿山第二砲台
 x103hakodate様からいただいたモノクロ写真を、AIで着色してカラー化した。1970(昭和45)年6月頃に、x103hakodate様の御祖父様が撮影された写真とのこと。
 函館山山頂までの自動車用登山道は、1953(昭和28)年に完成した。その後、山頂から千畳敷方面へ向かう周遊道路も建設され、この写真が撮影される前年の1969(昭和44)年までに完成。当時は自家用車で千畳敷へ行くことができた。(現在は、千畳敷方面へ一般車両が進入しないように、ゲートで封鎖している)
 御殿山第二砲台の出入口トンネル付近の擁壁が大きく削られ、大型駐車場(通称「つつじ山駐車場」)ができた様子がわかる。(この時点では、「つつじ山駐車場」は未舗装)

 

◇写真提供:「函館鉄道写真館(新)」のx103hakodate様
 写真提供ありがとうございました。

 


↑ 函館山山頂(御殿山第一砲台跡)から見た御殿山第二砲台

 


↑ 御殿山第二砲台の出入口前に設けられた、「つつじ山駐車場」
 砲台出入口トンネルの場所が分かるように、昔の写真を合成した。現在は、土砂で塞がれているので、観光客がこのトンネルから砲台に入ることはできない。一般車両の進入を防ぐゲートのそばに、観光客用の出入口階段が用意されている。

 



↑ 土砂で塞がれた、砲台出入口トンネル
 アーチの右半分は損壊している。

 



↑ 北北東(「つつじ山駐車場」)側からみた出入口トンネルの内部
 上が2006年10月に、下が2019年3月に撮影したもの。

 



↑ 南南西側からみた出入口トンネルの内部
 上が1993年頃に、下が2019年3月に撮影したもの。
 1993年頃時点で、すでに西側の壁1か所から背面土砂がトンネル内へ流出しているのを確認。加えて、2006年時点では、東側の壁1か所からの流出も確認。さらに、2019年時点では、西側の壁の破損が天井部にまで拡大し、積石の一部が崩落、大量の土砂がトンネル内に流出しているのを確認。このまま放置すると、いずれトンネル全体が崩落するものと懸念される。ロシアによる日本侵攻を防いだ貴重な明治期の国防遺産として、行政機関による早急な修復工事が望まれる。

 



↑ トンネル内から見た砲台内部

 



↑ トンネルを抜けてすぐ左手にある貯水池