↑ 崖の上のエツキサイ北トーチカ3(2021年7月に撮影)
浸食により周囲がどんどんえぐられていく中、粘り強く崖下に転落せずに持ちこたえているトーチカ。十勝地方を震源とする大きな地震があっても、海が荒れても、これまで奇跡的に落下してこなかったが、そろそろ危ない。
道道1037号線を豊似川にかかるレインボー大橋から北へ1,200mほど進み、右折して砂利道を750mほど直進。崖の手前で道が右に曲がっているが、その曲がり角に、このトーチカが残っている。真下まで海食崖の浸食が進んでおり、いつ崖下へ転落してもおかしくない状況のため、このトーチカには接近し過ぎないようご注意願いたい。
↑ 崖上から見たトーチカの上部(2018年8月に撮影)
砂利道が右に続いているが、浸食により道路のすぐ横が崖となっており、いつ崩れてもおかしくない状況なので、これより先は車で進まないほうが良い。左方向にも崖上を進む道があるのだが、すでに途中から崖が崩れているので、絶対に車で行ってはならない。
↑ 崖上から見たトーチカの上部(2021年7月に撮影)
トーチカの前に、新たに看板が設置されていた。海食崖の浸食による危険性を知らせるものかと思いきや、海岸利用のマナーに関する注意喚起であった。利用客のマナーの悪さに、地元自治体が頭を悩ませているのだろうか。
それはさておき、この看板よりも先は、いつ崩落してもおかしくない状況なので、トーチカに近づき過ぎないよう、ご注意願いたい。
↑ 銃眼(2012年7月に撮影)
2012年7月時点では、銃眼の前まで歩いていくことがギリギリ可能であった。やや大きめの銃眼であるため、ここからトーチカ内部に入れそうではあったが、標高15mの崖からトーチカごと転落するリスクが高いため、やめておいた。
↑ 射界(2012年7月に撮影)
銃眼の位置から撮影した。前方の砂浜に目を向けると、埋もれつつあるエツキサイ北トーチカ4とエツキサイ北トーチカ5が見える。2012年時点では、これらのトーチカに車で近づくことも可能であったが、その後の浸食で道路がかなり危険な状態となってきた。行くなら徒歩にしたほうが良い。
↑ すぐ真横まで浸食され、危険な状態となっている砂利道(2021年7月に撮影)
黄色のバリケードテープ(キケン立入禁止 KEEP OUT)で注意喚起されている。トーチカの足元とこの砂利道、どちらの崖が先に崩れるかといった危険な状態となっている。
↑ エツキサイ北トーチカ3、エツキサイ北トーチカ2の変化(2012年7月と2018年8月の比較)
エツキサイ北トーチカ3では、かろうじて残っていた銃眼前の地面が失われた。重量のあるトーチカを、細くなった足元で支えており、宮城伝統こけしのような外観になってしまった。その約160m先に見えるエツキサイ北トーチカ2は、崖の上部に少しだけ露出していたものが、ついに崖下に転落した。
↑ 崖下から見上げたトーチカの側面(2012年7月に撮影)
現在は危険すぎるので、トーチカの真下付近には近づかないようにしてください。
↑ 出入口(2012年7月に撮影)
浸食により、トーチカに接続していたであろう地下通路や塹壕(交通壕)はすでに失われており、トーチカ内部を見学することは不可能な状態となっていた。
↑ 出入口付近の変化(2012年7月と2021年7月の比較)
出入口前の地下通路が接続していたと考えられる場所には、複数の丸太が露出していたが、これが失われた。また、更なる浸食で、北北東側の面がすべて露出した。