エツキサイ南トーチカ3

South Etsukisai Pillbox 3


↑ 崖上に露出した状態となっているエツキサイ南トーチカ3
 もともと敵の艦砲射撃に狙われぬよう段丘の上部に隠されていたものが、海食崖の後退により露出したものである。約1km先の海岸に、崖から落下して、上下逆さまになったエツキサイ南トーチカ2と1が見えているが、このエツキサイ南トーチカ3もいずれ同じ運命をたどるであろう。

 

◇写真提供:大野文明様
 このエツキサイ南トーチカ3のページの現地写真はすべて、十勝地方の戦争遺跡を調査されている大野文明様よりいただいたものです。写真及び情報提供ありがとうございました。

 


↑ 近くにエツキサイ南トーチカ4があった可能性
 1977年10月撮影の空中写真に書き入れた。射界を確保するために掘り下げた痕跡があることから、北北東(この写真では右側)の海岸に上陸する敵を機関銃で掃射するためのトーチカであったと考えられる。エツキサイ南トーチカ3から南方(この写真では左側)約110mにも同様の痕跡があることから、エツキサイ南トーチカ4が築かれていたのではないかと予想している。ギリギリ地中に埋まった状態なのか、すでに崖下に転落して埋没してしまったのかについては、現時点では不明。(※)
※大野文明様より、接続する交通壕が途切れており、エツキサイ南トーチカ4は転落して海没した可能性が高いとの情報をいただきました。ありがとうございました。

 エツキサイ南トーチカ2の落下地点から、砂浜を約1kmほど南下すると、このトーチカの真下にたどり着く。消波ブロックまで波が来て危険な時もあるので、見学される場合はあらかじめ、天気予報や満潮・干潮の時刻を確認するなどして、事故防止に努めていただきたい。(リンク:気象庁 十勝海岸の潮位予測


↑ 崖の上から見たトーチカの上部

 


↑ 真下から見たトーチカの側面

 



↑ 北東側の崖下から見たトーチカ
 銃眼は北北東側にあると思われるが、土砂に埋もれているようで確認できない。